Adobe illustrator(以下:イラレ)で文字や図形を立体にする場合、昔はAdobe Photoshop(以下:フォトショ)でなければできませんでした。
厳密に言えばできなくはないのですが、簡単にはできませんでした。
しかしイラレのバージョンも高くなり昔よりも簡単に文字や図形を3Dにすることが簡単になりました。
今回はその方法を3つ紹介したいと思います。
アピアランスを使って簡単に文字や図形を3D化
アピアランスってポップに文字を装飾したりするときによく使いますが、紹介する方法を使うと簡単にオシャレに立体的にデザインすることが可能です。
①3Dにしたい文字や図形を選択
3Dにしたい文字はアウトラインをかけてもいいですが、修正がしやすいようにテキスト文字のまま処理を行います。
②選択した文字を白に変更
ここでは分かりやすいように色を白に変更していますが、他のいろでも大丈夫です。
③右の三本線をクリックして新規塗りを追加
アピアランスの右上の三本線をクリックして「新規塗りを追加」を選択。
④塗りの位置を文字の下へ移動
「塗り」が追加されたら「文字」の下へドラッグして移動っせてください
⑤「fx」から「パス」→「パスのオフセット」を選択
「文字」の下へ「塗り」を移動させたら、「塗り」を選択した状態で、下の「fx」から「パス」→「パスのオフセット」を選択します。
⑥「パスのオフセット」の設定
文字のフチのバランスを見ながら進めたいので左下の「プレビュー」にチェックを入れておきましょう。「オフセット」は任意、「核の形状」は「ラウンド」に設定して終わったら「OK」をクリックして下さい。
⑥「変形」から文字を3Dにする
「塗り」を選択した状態で、また下の「fx」から今度は「パスの変形」→「変形」を選択してください。
⑦変形効果の設定
これも文字のバランスをみながら設定したいので、左下の「プレビュー」にチェックを入れてください。
設定方法の例はこちら
- 拡大縮小の垂直方向:110%
- 移動の垂直方向:1mm
- オプションは下記の図を参考にしてください。
- コピー:1
⑧完成
これで完成になりますが、この方法を使うとデータ容量がかなり軽くなるし、あとあとの文字の修正も簡単なのでオススメです。
ブレンドツールで文字を3D風に立体的にする
次はツールボックスの中にある「ブレンドツール」を使って文字を3D風にする方法を紹介したいと思います。
私は昔からイラレで文字を3Dにするときはこの方法を好んで使っていました。
ちなみにブレンドツールとはこれのことです。
①3Dにしたい文字のカラーを白に変更
最初に3Dにしたい文字のカラーの「塗り」を白に変更します。
「線」は無しのにしてください。
②「新規線の追加」を選択
アピアランスの右上の三本線から「新規線の追加」を選択してください。
③「文字」の下へ移動
「新規線の追加」をしたら、「線」を選択して「文字」の下へ移動させます。
④⌘C→⌘B→下へ下げる
3Dにしたい文字を選択した状態で「⌘C(コピー)」して「⌘B(背面へペースト)」したらカーソルキーの下を押して文字の半分くらい下へ下げます。
⑤カラーを好きな色へ変更
背面へペーストした文字の色を好きな色へ変更します。「塗り」と「線」の療法をここではM100%、Y100%の赤へ変更しました。
⑥ブレンドツールで2つのポイントをクリック
ツールバーの中のブレンドツールを選択して、前面の文字と背面の文字のポイントを2箇所クリックします。
そうすると文字の間に中間の色となる文字が追加されます。
使っているのはブレンドツールなので前面の文字と背面の文字をブレンドしましたが、階層がまだ1つしかないのがこの状態です。
⑦ブレンドツールの階層を増やす
ツールボックスの中のブレンドツールをダブルクリックすると「ブレンドオプション」が開くので、ステップ数を40に設定してOKをクリックしてください。
ステップ数に関しては任意なので、データ容量が重くならないように少なく設定しても大丈夫です。
⑧完成
上手く色が馴染むように、前面の文字だけを選択して線のカラーをM100%、Y100&、K100%に設定したら完成です。
前面の黒から背面の赤へのグラデーションがきれいだから、タイトル文字を3Dにしたいときはオススメな方法です。
押し出しとベベル
この方法はMacのスペックに左右されるので、できればM1チップを積んだ最新のMacで立体化させるのがオススメです。
そもそもスペックが低いMacだと上手く機能しないことが多いです。
①「押し出しとベベル」を選択
3Dにしたい文字を選択した状態で、上のファインダーにある「効果」から「3Dとマテリアル」→「押し出しとベベル」を選択。
②3Dとマテリアルが開きます
左からオブ、マテ、ライトと書かれていますが、下記のような意味合いがあります。
- オブジェクト:文字や図形の立体感を設定
- マテリアル:文字や図形の質感を設定
- ライト:文字や図形のライティングを設定
③オブジェクトを設定
オブジェクトを下記のような数値に設定すると、いきなりイラレ上でフォトショで作ったような3Dが出来上がります。
「クラシック」の設定は立体のエンボス具合を調節する設定です。幅、高さ、繰り返し、スペースを自分で任意で変更してもいいですが、このクラシックから選択したほうが簡単に3Dができます。
「プリセット」では立体の回転具合を調節する場所で、ここに関しては自分で任意でX軸、Y軸、Z軸に数値を入れて調節したほうがいい感じの3Dが出来上がります。
④マテリアルを設定
マテリアルの設定は3Dの立体物の質感を変更する場所で、下記ではゴールドのマテリアルを選んでいる状態です。
このように標準でいろんなマテリアルが用意されているので、遊びながら色々試してみて下さい。
ちなみに上の図の「Adobe Substance マテリアル」の右側にある下のマークをクリックすると、Adobeサイトからいろんなマテリアルがダウンロードできるので、こちらを使ってみるのもオススメです。
細かい数値はいろいろ楽しみながら覚えるといいです。
④ライトの設定
ライトの設定は意外とシンプルで、少しの時間でこんなライティングが設定できます。
影も付けられるから便利ですね。
まとめ
という事で今回はイラレで立体にする方法を3つ紹介しました。
最初に紹介したアピアランスで3Dにする方法が一番データ容量が軽くなるからオススメです。
「押し出しとベベル」に関しては一番データ容量を使うので、Macのスペックに左右されます。
出来ればM1チップを搭載したMacで行うのがベストだと思います。
最後にエンベロープを使ったストリートアート調の立体文字をこちらで紹介しているのご覧ください。