デザイナーにとって、AdobeのIllustratorは欠かせないソフトです。
しかし、普段何気なく行っている操作が、思わぬミスにつながることも少なくありません。私自身も、これまでにいろいろなミスを経験してきました。
そこで今回は第2弾として、「イラレでミスにつながる絶対にやってはいけない操作トップ5」を紹介します。
1位:「線を内側で揃える」のまま「グリッドに分割」するとズレる
イラレでレイアウトをするときに、「グリッドに分割」を使ってガイドラインを作ることも多いと思います。
しかし、線幅を「線を内側に揃える」に設定した状態で「グリッドに分割」を行うと、その線幅の太さの分だけグリッドがズレてしまうことがあります。
それでは、どういうことなのか説明していきます。
まず、大外に「グリッドに分割」したい範囲のガイドラインを引きます。
次に、その中に赤い太めの線幅を設定した四角形のオブジェクトを作ります。今回はわかりやすいように、線の太さをかなり太めにしています。
そして、「線」の設定の中にある「線を内側に揃える」にチェックを入れます。

続いて、上部メニューの「オブジェクト」から「パス」→「グリッドに分割」を選択します。
ダイアログが表示されたら、行と列の「段数」と「間隔」に任意の数値を入力し、下にある「プレビュー」にチェックを入れます。
プレビューを見るとひと目で分かりますが、オブジェクトの内側に新しく中心線ができているのが確認できます。

「OK」をクリックして、そのままガイドラインを作成してみます。
すると、本来は大外のラインを基準にガイドラインを作りたかったはずなのに、新しく作成された内側の中心線がガイドラインになってしまいます。

今回は分かりやすいように赤い太い線で説明しましたが、これが微妙な太さの線だった場合、ズレに気づかないこともほとんどです。
実際に私も、この原因に気づかないまま、ズレたガイドラインを基準にデザインしていたことがありました。
最初は原因がまったく分かりませんでしたが、いろいろ調べていく中で、この現象を発見しました。
2位:テキストボックスの最後の改行の先にまだ文字があった
パンフレットの改版や、デザイナーの担当替えなど、データの受け渡しが発生する場面には、必ずと言っていいほどミスが潜んでいます。
特にテキストや文字まわりはミスにつながりやすいため、細心の注意が必要です。
たとえば、テキストボックスの最後の改行の先に、まだ文字が残っていたというケースも少なくありません。

テキストボックスの先にまだ文章が残っている場合は、それを知らせる目印があります。この目印を確認することで、文字の見落としによるミスを防ぐことができます。
その目印が、テキストボックスの文末に表示される小さな赤いマークです。
この赤いマークが表示されている場合は、まだ文章の続きがあるということです。反対に、赤いマークがなければ、それ以上文章は残っていないと判断できます。

3位:新聞広告でインク総量の多い複雑なイラストを使ってしまう
新聞媒体に入稿する場合、インクの総使用量が決められていることがあります。
基本的には、CMYKのインク総使用量が240%以下であれば問題ないケースが多いです。
しかし、イラストACなどの素材サイトからダウンロードしたイラストを使用する場合、CMYKの総使用量が最大値に近い400%近くになっていることがあります。

この状態では、新聞媒体には入稿できません。
しかも、こうした部分はひとつのイラストの中に複数あることも多く、グラデーションが使われている場合は、修正にかなり時間がかかってしまいます。
私の場合、このようなときはイラスト全体を一度画像化し、カラー設定を「Japan Color 2002 Newspaper」に設定して調整しています。
色に強くこだわりたい場合にはあまりおすすめできませんが、短時間で対応したいときには有効な方法です。
4位:リリース直後に最新のバージョンへアップデート

これは、すでにご存知の方も多いかもしれません。
Adobe Illustratorは、2022から2023、2023から2024というように大きくバージョンアップするタイミングで、不具合が発生することがあります。
実際に、Illustrator 2023へのバージョンアップ時には、新しく追加された「重なりとクロス」がPDFにすると正しく表示されないなどの不具合がありました。※現在は改善済みです。
こうした不具合は時間が経てば改善されることが多いため、個人的にはリリース直後にすぐ更新するのではなく、半年ほど様子を見てからバージョンアップするようにしています。
5位:トラッキングのせいでアンカーポーンとがズレる
まずはこのテキストをご覧ください。
![]()
アンカーポイントが、センターでも左端でもない中途半端な位置にあります。
この状態では、アンカーポイントを目印にしてセンター合わせをすることができません。
なぜこのようなことが起こるのかというと、左端にある「ト」の文字にトラッキングの数値が入っているためです。
![]()
左側の文字間に設定されているトラッキングの数値を見ると、「1000」という大きな数値が入っています。
これが原因で、アンカーポイントの位置が左にズレてしまっているのです。
まとめ
ということで今回は第2弾として、イラレでミスにつながりやすい操作を紹介しました。
ちなみに、私が一番やってしまいやすいミスは「文字の入力ミス」です。
……せっかちなんです。
ミスの内容は、本当に人それぞれだと思います。
自分から見ると「なぜそこで間違えるの?」と思うようなミスをする人もいますし、反対に、自分もまわりからそう思われていることがあるかもしれません。
急いでいるときはもちろん、逆に時間に余裕がありすぎるときも、意外とミスは起こりやすいものです。
この記事がどこまでお役に立てるかは分かりませんが、少しでも参考になれば幸いです。


